3Dプリンターのベッドのスプリング交換

3Dプリンター ベッドのスプリングをシリコンに交換

筆者が所有のCreality Ender3、Voxelab Aquilaで剛性アップ、レベルの安定のためヒートベッドのスプリングを強化スプリング、シリコンカラムに交換してみました。




ベッドのスプリングの役割

Ender3 ベッド

FDM方式の3Dプリンターはノズルの可動域に対して造形物が印刷されるベッドを水平に調整できるようになっています。レベル調整にはネジとスプリングでネジの締め込み量で高さ調整、スプリングの反発力の上にベッドが乗っかっている形です。
なので、ベッドを手で押し込むとスプリングの反発に応じて上下に動きます。例えば何らかの要因でZ軸がオーバーランしてノズルがベッドに当たってもスプリングで上下に可動できるので、設計には機械部を壊さない意図もあるかもしれません。




3Dプリンター純正のスプリングは反発力が弱くレベルがズレやすい

純正のスプリングは細くて反発力が弱いので、手でベッドを押したり、印刷後の造形物を剥がすときにベッドが押されて比較的簡単にベッドのレベルがズレてしまいます。
対策として反発力の強いスプリングやシリコンカラムに交換することでベッドがカッチリしてレベルをズレにくくすることができます。
以前、Ender3で強化スプリングに交換してみてよかったので今回、Aquilaではシリコンカラムに交換してみることにしました。



3Dプリンターのベッドのスプリング交換方法

Aquilaのスプリングをシリコンカラムへ交換

AliExpressでシリコンカラムを購入。AquilaもEnder3もレベル調整ネジはM4を使用しています。



Aquilaのスプリング交換方法

交換時はレベル調整ナットを4箇所緩めて、全て外さずに2箇所ずつナットを外してスプリングを交換するとやり易いです。4箇所同時に外してしまうとネジを穴に通すのが少し面倒になります。


Aquilaのスプリングをシリコンに交換後

4箇所全て交換できたら、3Dプリンターの本体電源を入れてメニュー画面から「Prepare]→「Homing」で原点出し、その次に「Prepare」→「Disable Stepper」を操作。手でノズルとベッドを動かせる様になるのでレベル調整を行います。


AquilaのZ軸原点出しマイクロスイッチ

シリコンカラムはスプリングより潰れにくいです。原点出しした時にノズルがベッドに当たってしまいベッドの高さを下げるためにナットを締め込みますが、キツキツの場合はZ軸の原点マイクロスイッチの高さを少し高い位置に移動して調整してください。




Voxelab Aquila と Qreality Endar 3の純正スプリング比較

Voxelab Aquila と Qreality Endar 3の純正スプリング比較

左がVoxelab Aquila X2 から外した純正スプリング
右がQreality Ender 3 から外した純正スプリングです。

スプリング自体の長さは一緒ですがAquilaの方が太く、反発力があるバネ定数の高いものが使用されていました。




強化スプリングとシリコンカラムの比較

筆者はEnder 3に強化スプリング、Aquilaにシリコンカラムへ交換し比較してみましたがシリコンカラムの方がよりしっかりしていて、ベッドにくっ付いた造形別を剥がした後でもレベルが安定している気がします。
レベル調整のダイヤルを回した感じもシリコンカラムの方がカッチリするので、これから交換を考えられているならシリコンカラムがおすすめです。






TPUでバネ部分を作ることも可能

TPUのフィラメントを持っていて印刷できるなら、TPUでバネ部分を印刷して作ることもできます。
筆者は試していませんが、シリコンカラムの様に使えそうではありますがシリコンより熱に弱いのが難点です。
ご参考まで。







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