FDM(熱溶解積層方式)の3Dプリンターでキレイに、印刷物が印刷中にベッドから剥がれる失敗無く印刷するためにはベッドのレベル調整が重要です。筆者が所有しているCreality Ender3やVoxalab Aquilaなど門型タイプの安価な3Dプリンターは手動でノズルとベッドの位置を動かしてレベル調整し、テストプリントする機能はありません。紹介するGcodeを使用して半自動でレベル調整とテストプリントすることができます。
通常、レベル調整は手動でノズルとベッド(プラットフォーム)を動かして行う
Ender3やAquila等の3Dプリンターの説明書には操作パネルから[Disable steppers]を選択して、ステッピングモーターのロックを解除した状態でノズルをベッドの四方に手動で動かして各位置でノズルとベッドの隙間をA4用紙1枚分程度の隙に調整するようになっています。
このレベル調整時に一回一回手で掴んで動かすより、自動でノズルとベッドの位置が各調整位置に動けば便利なので位置データの入ったGcodeを作りました。
また、ノズルの掃除や交換時には各X,Y,Z軸を選択して、位置を設定し移動→ノズルの温度調整を選択し加熱する操作が必要です。モデルを印刷するのと同様にGcodeを選択して印刷する操作をするだけでノズルの位置移動と加熱ができるGcodeを作成。
ノズルクリーニング、レベル調整後にテストプリントして印刷物のベッドへの定着が問題ないか確認できるGcodeも追加しています。
半自動レベル調整、ノズルクリーニングができる便利なGcodeをダウンロード
以下のボタンよりZIPファイルをダウンロードできます。
各Gcodeツールの説明

ノズルクリーニング

[Nozzle_Cleaning@HOME3DP.gcode]を選択すると、ノズルを高さ100mm・左右中心の位置に自動移動し230℃に加熱します。
フィラメントの入れ替え・ノズル交換・ノズルクリーニングの時に便利です。
プリント開始でノズル位置移動
↓
操作ボタンを1回クリックするとノズルを230℃に予熱します
↓
操作ボタンをもう1回クリックすると終了、モーター解除
半自動レベル調整 (2種類)
[Bed_Level@HOME3DP.gcode]を選択するとノズルがベッド左前・左後・右後・右前の順番にの各レベル調整位置に自動で移動します。
初めに左前に移動後、レベルを調整
↓
ボタンをクリックして左後で自動で移動
の順番に動きます。
[Bed_Level&Pre_Heat@HOME3DP.gcode]を選択すると上記の動作に加えて、ノズルとベッドの予熱をレベル調整と同時に行います。
ノズルを温めすぎるとレベル調整中にノズルからフィラメントが出てきてしまうので、溶解温度の低いPLAフィラメントが溶け出さないノズルの温度150℃、ベッドを60℃にレベル調整中に加熱して効率化、時間を節約できます。
テストプリント (2種類)

[PLA&TPU_Test_Print@HOME3DP.gcode]を選択すると画像のような正方形のテストプリントができます。
PLAとTPUフィラメント用
ノズル:205℃
ベッド:50℃
[PETG&ABS_Test_Print@HOME3DP.gcode]も同様に正方形のテストプリントですが温度が高く設定してあります。
PETGとABSフィラメント用
ノズル:240℃
ベッド:95℃

このテストプリントのGcodeは海外のYouTubeチャンネルCHEPから変更・再配布フリーのデータを参考にさせてもらいました。元データからPETG・ABSの温度を追加、印刷時間が長かったので2層までの印刷に変更しています。
このGcodeの適応機種について
筆者が所有の3DプリンターCreality Ender3とVoxelab Aquilaで使えるのは確認できています。
その他似たような機種でも使えるはずですが、この機種でも使えたよと言うのがあればコメント欄でお知らせ頂けたら嬉しいです。