我が家のEnder-3でいつものように寝ている間に働いてもらっていたところ、朝起きたらフィラメントが切れたときのように印刷途中なのに印刷完了になっていて、よく確認したところノズルが詰まってフィラメントが出てこない状態でした。
対処法を調べて、実践してみたのでやり方をシェアしたいと思います。
積層式の3Dプリンターではノズル部分の構造がどれも同じですので他の機種でも参考になれば幸いです。
ノズル清掃用のニードル(針)で詰まりを解消

Ender-3を買ったときに付いてきたノズル清掃用のニードル、使うことは無いと思っていたのですが遂に出番がやってきました。

1.ノズルが見える位置にヘッドを移動させる (Ender3の操作方法)
操作画面から
「Prepare ➡ Move axis」でヘッド位置移動
又は
「Prepare ➡ Disable steppers」を選択して手動でヘッド位置移動
2.ノズルを加熱させる
操作画面から
「Control ➡ Temperature ➡ nozzle」 の順番に選択
ノズルの温度を200度以上に設定する
(メタルホットエンドに交換していない場合はPTFEチューブの耐熱温度240℃なのでそれ以上、上げない方がいいです)
Info screenに戻れば現在の温度が表示されるので、温度が上がるまで待つ
3Dプリンターのヘッド位置とノズルの加熱を同時に行う、「ノズルクリーニングモード」のGcodeを作りましたので以下記事からダウンロードできます。
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3.ノズル清掃用のニードルでクリーニング
ノズル清掃用のニードルをノズルに通して、上下に動かして詰まりを除去します。

4.ノズルからフィラメントが出るか確認する
エクストルーダーを回すかフィラメントを手で押し出してスムースにフィラメントが出てくるか確認します。
これで出てこない場合はノズル先端ではなく、チューブ内で詰まっているかもしれません。
PTFEチューブ内部での詰まりの対処法
ノズル直上にあるPTFEチューブ自体が溶けてしまい詰まる場合や溶けたフィラメントがチューブ内でくっ付いてしまい詰まることがあります。

今回、私の場合はノズルの先端部分ではなく、チューブ内で詰まっていました。
ダイレクトドライブエクストルーダー化しているので若干やり方が異なるかもしれませんが、試行錯誤して何とかチューブを交換したので、どうしたらやりやすかったかを書きます。

1.ノズルが見える位置にヘッドを移動させる
上記同様
2.ファンカバーを外す
ビス2本を外してファンが付いているカバーを取り外します。

3.ノズル先端のシリコンカバーを外す
4.ワンタッチ継手を取り外す
エクストルーダー側の継手からチューブを抜いて、大きいレンチでヒートシンクの継手を取り外しました。
継手からチューブを抜くときは、継手のリング(輪っかが上下する部分)を押し込みながらチューブを引っ張ると抜くことができます。
4.ヒートシンク・ヒートユニット・ノズルを丸ごと取り外す
ヒートシンクのビス2本で取り外し
チューブがくっ付いているので引き抜くときにプーリーに無理な力がかかるのを防ぐため
5.ノズルを加熱する
上記同様
6.ノズルを取り外す
ノズルが温まったら小さいレンチでノズルを取り外します。
熱いので注意!

7.チューブを引き抜く
ここまでバラバラにしましたが、チューブがくっ付いていてなかなか取れませんでしたので260℃の熱い状態でプライヤーとラジオペンチでヒートシンクを挟んで固定しながら引っ張り、やっと引き抜くことができました。

引き抜いたチューブ
古いフィラメントがチューブの外側に付いて少し縮んでいるような感じでした。

8.PTFEチューブをカットして差し直す
ノズル先端とワンタッチ継手を付け直してからチューブを交換しました。
私はダイレクトエクストルーダー化しているので、短いチューブしか使っていませんがニッパーで新しくチューブをカットして交換、差し直しています。
継手から新しいチューブを挿入するときはチューブをノズル先端まで押し当てるように通す必要があります。
若干、フィラメントのゴミが筒の内部に残っていてノズルが冷えるとスムースに奥まで入りません。260℃設定でプライヤーで挟みながらチューブを押し込んでうまくノズル先端まで通すことができました。

ニッパーやハサミでチューブを切ると切り口が潰れてしまい、詰まりの原因になってしまうので、チューブの挿入前に小さい六角レンチで切り口を直してから使っています。
切り口が潰れない専用のチューブカッターもありますが、個人的には1回や2回チューブを切るだけでは買う必要はないと思っています。
何回も切る場合は毎回潰れた切り口を丸く整え直すのが大変なので専用カッターが望ましいですが、切り口を整え直せばチューブカッターは必要ありません。
実は仕事で使う機会があるので専用カッターを持っていますが取り出すのが面倒くさいので使いませんでした。

9.組付け直し
後は逆の手順で元通りに組付け直して完了です。
ヒートシンクの取り付けビスを締め付けるときにヒートシンク側のバカ穴部分でノズルが斜めになってしまうので、目測でベッドに対してノズル先端が垂直になっているのを確認してからビスを締め付けました。
PTFEチューブの差し込み不良でフィラメントが詰まります

フィラメントが中途半端に詰まり、ノズルからフィラメントの出が悪くなることがありました。

PTFEチューブを抜いてみると、この様にフィラメントの先端が固まりになってフィラメントを抜くこともできない状態でした。
原因はPTFEチューブがキチンと差し込まれておらず、ノズルとチューブの間に隙間ができることでその空間にフィラメントが溜まってしまい詰まってしまいます。(左図:PTFEチューブが正しく差し込まれている場合 右図:PTFEチューブとノズル間に隙間がある)
対策1:PTFEチューブの切り口を垂直に切る

PTFEチューブのノズル側のカットは斜めだったり、ぼこぼこしていると隙間になり詰まる原因ですので垂直に切る様にしています。
上述のチューブカッターがあればベストですが、オルファの黒刃カッターやデザインナイフなど切れ味の良いカッターでも十分です。
対策2:継手にチューブを通してからヒートシンクに組み付け
通常、継手部分をヒートシンクにネジを回して組み付けてからPTFEチューブを差し込む順番で組み立てると思います。継手はチューブを差し込む方向には抵抗なく、抜く方向は釣り針のように反しがあり抜けなくなる構造です。この返しの部分に遊びがあり、どんなに差し込んでもガタつきの分、ノズルとチューブに隙間ができてしまうので何度チューブをカットし直しても改善しないことがありました。

対策として先にPTFEチューブを継手に通します。 チューブが継手のネジ側から飛び出る長さはヒートシンクを通ってノズルに当たるまでの距離から2〜3mm長いくらいにセット。

その後、ネジを締め込んで継手をヒートシンクへ組み付けることによってノズルとチューブ間が密着するので隙間なく、詰まりにくくなります。
以上、参考になりましたら幸いです。