積層式の3DプリンターでPLAフィラメントが印刷中に折れたり、しばらく使っていなかったらフィラメントがポキポキ折れるようになったなんてことありませんか?
買ったフィラメントが安かったから粗悪品だったと思って捨ててしまう方へ、実は復活させることができます。
3Dプリンターのフィラメントは湿気に弱い

新品のフィラメントが真空パックにシリカゲルが入って売られているように、フィラメントは湿気に弱いです。湿気てしまうとポキポキ折れたり、糸引きが酷くなる、印刷物の表面が荒れるなど材質によって症状は違いますが印刷するにあたって不具合が出てきます。
ですので、我が家では新品に付属のシリカゲルは捨てずに取っておいて、印刷後はフィラメントを密閉できるタッパか袋に入れて保管するようにしています。
今回は毎回印刷後にノズルを予熱してフィラメントを外すのが面倒で、PLAフィラメントのリールをつけっぱなしで2~3週間放置。使おうと思ったら少し曲げただけでポキポキ折れてしまうようになってしまいました。
湿気たフィラメントを乾燥できる機器
専用のフィラメントドライヤーを使う
フィラメントドライヤーと言う、リールホルダー、保管箱、乾燥の3つの機能を兼ね備えた専用品があります。
常にベストコンディションで印刷するならこれを使うべきだと思います。
便利ですが、安い物でも6000円~なので趣味で3Dプリンターを使っている私には少し高いかなと思うのが正直なところです。
ドライフルーツメーカーを使う
ドライフルーツメーカーはフィラメントドライヤーとほとんど同等の機能ですので、フィラメントを入れて乾燥させることができます。
専用品より価格も安い物があって、ドライフルーツも作れるので一石二鳥です。
オーブンを使う
オーブンを低い温度に設定して、フィラメントを焼かずに乾燥させることができます。
新しく買わずとも既に持っている人が多くて、フィラメント乾燥の用途でも一般的かもしれません。
自宅のオーブンで湿気たフィラメントを乾燥させてみた

カナダではどの家庭でもコンロとオーブンが一体型になったこの大きなオーブンがあるのが一般的です。
我が家では冷凍のピザとかリブステーキをこのオーブンで焼いて食べています。
湿気たフィラメントを予熱してこのオーブンに入れて乾燥させてみました。
フィラメント種類別の温度設定と調理時間
PLA
設定温度 40~50℃ 調理時間 4時間~
PETG
設定温度 60~65℃ 調理時間 4時間~
ABS
設定温度 80~85℃ 調理時間 4時間~
TPU
設定温度 80~90℃ 調理時間 12時間~
Nylon
設定温度 80~90℃ 調理時間 12時間~
ASA
設定温度 80~85℃ 調理時間 4時間~
PC
設定温度 120~130℃ 調理時間 6時間~
以上の情報は海外サイトを参考にさせていただきました。
https://3dprintbeginner.com/how-to-dry-your-filament/
湿気た透明のPLAフィラメントをオーブンで乾燥させた結果
結果は...
乾燥によってちょっと曲げただけで折れてしまうようになっていたのが、曲げても折れなくなりました!
このとき温度と時間はよく調べずにやったので適当でしたが、問題なく復活できました。
透明が若干白っぽくなってしまいましたが、印刷した後に同じく白っぽくなるので問題なしです。
お試しあれ。