最近、3Dプリンターのヘッドを交換することで3Dプリンター・レーザー彫刻機・CNCフライスの一台三役で使える機種が売られていますが、3万円以下で買えるEnder3でも改造することで一台三役として使うことができます。
レーザー彫刻モジュールがAliExpressで売られていて、調べたら簡単にEnder3をレーザー彫刻機化できるみたいなので実際にやってみました。
レーザーモジュールの購入
AliExpressでEnder3用のレーザー彫刻キットを購入。アマゾンや楽天には売っていませんでした。
カナダまで3週間くらいで到着しました。
Creality公式でも売っていますが価格が高いのと、どちらにせよ輸入となるのでAliExpressでの購入がおすすめです。
注文して届いた商品がこちら。
内容物
・レーザーモジュール
・配線
・保護メガネ
・予備のマグネット
・彫刻テスト用の木材×3
必要なものは全部揃っています。
レーザーモジュールの取付・配線
レーザーモジュールへ配線の接続はノズル部横の冷却ファンの電源、青と黄色の配線を分岐させる形で接続します。
基盤が入っているカバーを空けて、画像の赤丸のコネクターがファンへの配線です。
コネクターから元の線を外して、基板へ付属の分岐線を接続。
片側は元のファンへ、もう片側はレーザーモジュールの接続用です。
レーザー彫刻しないときは外せるように、レーザー側のコネクターは外に出して接続します。
レーザーモジュールはマグネットでファンカバーへ取り付けるだけです。
レーザー彫刻用GCODE作成・設定方法
GCODE作成ソフトのダウンロード・インストール
Crealityの公式ホームページより、以下のリンクからCreality Workshopというソフトウェアをダウンロード・インストールします。(Windowsのみ対応)
このソフトで画像(Jpeg)からレーザー彫刻とCNCのGCODEを生成することができます。
Creality Workshopの使い方
Creality workshopを起動するとこのウィンドウが表示されます。
上部より
Serial ports
使用しません。
〇CNC 〇Laser
Laserを選択
〇Outline 〇Grayscale 〇Black White
Outline:外枠のみ
Grayscale:白黒印刷
Black White:黒100%か白100%の白黒
実際にレーザー彫刻する際はGrayscaleかBlack Whiteのどちらかを選択します。
画像(JEPG)の読み込み
Laser, Grayscale若しくはBlack Whiteを選択後
左上の「Open」で彫刻したいJPEGファイルを選択、
画像の白黒変換の閾値設定を行います。
JPEGファイル読み込み後、サイズが大きすぎるので右側のWidth、Heightを設定してレーザー彫刻したい大きさに設定します。
サイズを変更するとプレビューしている画像が荒くなりますが、実際の彫刻はキレイにできます。
ちなみにテスト用の木材へ彫刻する場合、サイズは100mm角なのでそれ以下にしましょう。
出力設定
続いて、右側のタブ「Export Setting」で出力設定ができます。
図の設定で取り合えず上手く彫刻できたので、入力してみてください。
設定出来たら左上の「Export Gcode」でGcodeを出力・保存します。
メモ帳でGcode編集
Creality workshopでGcodeが生成できたら、保存したGcodeをメモ帳で開き、[;end]の1行上、画像の選択部分を削除したものを3DプリンターのSDカードに保存します。
この一行を削除しなくてもレーザー彫刻できますが、完了後に何故かヘッドが下がって来るので印刷物とぶつかってしまうのを防ぐため最後の一行を削除します。(おそらくソフトのバグです。)
3Dプリンター(Ender3)でレーザー彫刻してみる
レーザーモジュールをマグネットで取付。
Ender3の操作画面から以下のように操作します。
1. Prepare ➡ Auto home 原点出し
2. Prepare ➡ Move axis ➡ Move Z ➡ Move 10mm Z100mmまで移動
3. Prepare ➡ Disable steppers 手動でレーザーを印刷物上部に移動させる
ここからレーザーをONさせるので保護メガネ着用
4. Control ➡ Temperature ➡ Fan speed: 1 にしてクリック
レーザーがオンするのでレンズのつまみ部分を回してピント合わせ
ノズルを手で動かして印刷物上の印刷したい場所の左下にレーザーが当たるように位置を合わせる
Fan speedを0にしてクリックするとレーザー照射が止まります
5. SDカードからGcodeを選択してレーザー彫刻開始!
こんな感じで印刷できました。
左上の失敗はCreality workshopでOutlineの設定で印刷したものです。おそらくCNC用設定なんだと思います。
テスト用に印刷したロゴが真っ黒と真っ白しかないのでもうちょっと実用的にこんなものを作ってみました。